住宅リフォームのセールストーク その1(アンテナトーク)




住宅リフォームのアポインターは、以下のようなセールストークスクリプトを会社から渡され、それによって、飛び込み営業をやっています。

もちろん、すべてのリフォーム会社が以下のトークを使っているわけではありません。住宅リフォームのセールストークはこんな感じだという参考にしてみてください。


アンテナトーク


(以下、APはアポインターです。)

<AP>(ピンポーン、インターフォンの鳴る音)こんにちは〜、この通り沿いで作業をしてるものでなんですけど、今日のお昼すぎに、この通りで30分くらい作業をしますんで、もし、うちの作業車が邪魔だったら、すぐに言ってください。移動しますんで、、、。

<お客さん>そうですか。ご苦労様。何の作業するの?

<AP>この先の家で、テレビアンテナをはずしますんで、まあ、そんなに時間はかからないとは思うんですけど、まあ、ご近所なんで、(会社の)先輩から挨拶してこいって言われちゃって(笑)よろしくお願いします。

<お客さん>まあ、そうなの、暑いのに大変ね。

<AP>いやあ、仕事なんで。それじゃ、車だけすみませんが、お願いします。
   (お客さんがドアを閉めかけた、その瞬間に)あっ、それとですね! ちょっとさっき、ご近所をあいさつ回りしてて気になったんですけど、お母さんのとこ、アレ、あぶないですよ!

<お客さん>え?危ないって、何が?

<AP>いや、お母さんの家の屋根の上に、テレビアンテナが載っているじゃないですか。あれ、アンテナを支えてる針金がゆるんじゃってるんで、台風の時とか、アンテナが地面に落っこちて来ちゃいますよ!

<お客さん>え?うち、アンテナなんてあったっけ?

<AP>ちょっと見てくださいよ!(お客さんを家の前まで連れて行く)ホラ、アンテナあるでしょ、お母さんとこの屋根。あの針金がゆるんじゃってるじゃないですか。(ジェスチャーを交えながらしゃべる)

<お客さん>あ〜、ほんとだ。ゆるんじゃってるわね。

<AP>あのままにしとくと、アンテナが倒れちゃいますから。やっぱり、誰かに言って、直してもらったほうがいいですよ。ご主人さんとか、屋根、登れます?

<お客さん>主人は、あんまりそういうの得意じゃないわね。

<AP>そうですか。まあ、もしよかったらなんですけど、うちの作業の手の空いたときでよかったらついでに直してあげましょうか?

<お客さん>そんな、悪いわよ。

<AP>いや〜、ご近所なんで、それにアレ直すくらいだったら、5分か10分で出来るんで!やっといてあげますよ。

<お客さん>いいの?でも、お金取るんでしょ?

<AP>別に、お金なんていらないですよ(笑)暑いんで、何か冷たいもんでももらえれば。

<お客さん>そう、じゃあ、お願いしますね。

<AP>わかりました。お母さん、今日、ずっと家にいます?

<お客さん>いるわよ。

<AP>それじゃ、お昼過ぎにまた来ますね。(時間指定。細かく時間を設定する場合もある。)

<お客さん>よろしくお願いしますね。

<AP>どうも!それじゃ、また来ます!


トークの解説


 このトークはリフォーム業界では主に「アンテナトーク」と呼ばれています。  「屋根の上に載っているテレビアンテナの針金を直してあげる」という口実をもとに、お客さんの家の屋根の上にあがります。

 屋根の上にあがるきっかけは、何でもいいのですが、アンテナの場合、お客さんの側としてもいきなり、「リフォームしませんか?」と営業をかけられるよりは、心理的負担が少ないわけです。

 でも、最近はケーブルテレビがかなり普及し始めて、このアンテナトークも使いにくくなりました。アンテナの載っている家を探してもなかなか見つからないのが現状です。

 この「アンテナトーク」の発展系として、「アンテナ降ろしトーク」も存在します。
 「使ってないアンテナを降ろしませんか」というトークです。

 どのトークでも、屋根の上にあがったら、デジカメで屋根の上の痛んでいる箇所を撮影します。
 このあと、アポインターは役割を終えて、クローザーにバトンタッチ。
 クローザーはお客さんに、デジカメの画像をもとにしながら、「そろそろ、屋根を葺き替えた方がいいですよ」などと説明をするわけです。

トークのポイント


 この「アンテナトーク」は、アンテナの針金を直すのが目的ではなくて、あくまでも「お客さんの屋根の上に登る口実をつくること」が目的です。

 そのため、トークスクリプトの中でも書いてありますが、アンテナの針金を直すことについてはお金はもらわないというスタンスです。

 「作業のついでに、ご近所だからやってあげる」とお客さんに思わせることが重要なのです。
 あと、お客さんが年配の女性だったら、「お母さん」、男性であれば「ご主人さん」などと、呼びかけるときに言葉の使い分けをします。

 親しみを感じさせるように、語りかけることが大切です。

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