住宅リフォームのアポインター 1日の仕事の流れ




 住宅リフォームのアポインターはどんな1日を送っているのでしょうか?
 ここでは、筆者がかつて営業をしていた頃を振り返り、アポインターの1日の仕事の流れをざっとですが、書いてみたいと思います。

■AM9:00 出社

 会社内の仕事を終えた後、朝礼開始。
 朝礼では、社員は以下のような事柄をしなくてはなりません。

  • 体操
  • 社訓唱和
  • 各営業マンが全員の前で順番に、自らの1日の目標を大声で叫ぶ
  • あいさつの練習
  • 社長からの言葉を黙って聞く

■AM9:30 営業現場へ車で向かう

 住宅街へ車で向かいます。
 その車というのは、荷台の上にハシゴを積んだ車です。
 あなたが街で「普通のステーションワゴンで荷台の上に、でかいハシゴを積んだ車」を見かけたら、「あれはリフォームの飛び込みセールスの車なのではないか?」とちょっと疑ってみることも出来るわけです。

 私がいた会社は、東京にありましたから、東京から30分〜1時間程度で行ける郊外の住宅街に毎日通っていました。

 会社によっては、2時間、3時間、あるいはもっと時間をかけて遠くの街に出かけていく会社もあるようでした。というのは、飛び込みセールスの業界では、「都心から離れた田舎の方が商品が売れやすい」という定説があるからです。

■AM10:00 現場到着

 現場に到着したら、アポインターに住宅地図のコピーが渡されます。
 住宅地図には、事細かに、家の名前と場所が記されてあって、アポインターはその住宅地図をもとに、一軒、一軒、インターフォンを押して飛び込みセールスをするのです。

 その後、アポインターは「目標アポ本数」と「目標成約数」を言ったあと、各自ちりじりになて、自分が訪問する地域へと徒歩で向かいます。ここからが飛び込み営業の開始です。

 営業時間はだいたいAタイム、Bタイム、Cタイムとわかれていて、各タイムの間に30分ほどの休憩時間が与えられます。

  • Aタイム(10:00〜12:00)
  • Bタイム(13:00〜15:00)
  • Cタイム(15:30〜18:00)

 営業マンが誰一人として、売れなかったとき(業界では、売り上げがゼロのことを“ボウズ”といいます)、そういうときはDタイムといって、夜も訪問するハメになるわけです。

 夜に訪問するのは、訪問される側にとっては迷惑きわまりない話ですが、営業マンは「訪問しなければ上司からつめられる」と思って、必死になって訪問します。

 飛び込みセールスの世界では、夜の2時でも訪問するというような“猛者”もいますから、とてもこれは厄介な話ではあります。

■PM12:00 昼食

 楽しいランチタイムです。
 といっても行くのは郊外の住宅街が中心ですから、場所によっては、ファミレスなんかが無い地域もあるわけで、そういう場合、コンビニで弁当を買って、車の中で食べます。

■PM13:00 営業活動再開

 午後からの営業活動は、午前中に「アポの取れたアポインター」については、クローザーとともに、アポの家に向かうことになります。

 午前中にアポの取れなかったアポインターは営業活動を引き続き行うことになります。

 アポインターとして慣れてくると、アポを取るだけだったら、簡単に出来るようになってくるので、午前中に適当なアポをとっておいて、午後はクローザーにアポの家に行ってもらい、自分は公園で昼寝しているなんていうことも出来るわけです。

 私も他社を含めて、大勢のそういったサボリ癖がついたアポインターをみました。

 飛び込みセールスの営業マンというのはそれこそ「曲者」ぞろいで、上司の目の届く範囲ではまじめに、一生懸命仕事に打ち込んでいるかのような顔をしていますが、いったん、一人になると徹底的にサボり倒すような人種が大勢いるというのは事実です。

■PM18:00 営業活動終了

 1日の飛び込みセールスが終わって、みんなで会社へ帰ります。
 1日の中で、車に乗って会社に帰るときが一番、気分が爽快な時間です。

■PM19:00 帰社

 会社へ帰ったら、以下のようなことをします。

  • 日報を書く
  • 翌日に行くテリトリーについて、住宅地図のコピー作成
  • 終礼

 “テリトリー”とは、訪問する住宅街のことです。
 訪問する範囲の住宅街の地図を何枚もコピーして、セロテープでつなげます。

 日報も書きますが、これは「訪問件数」や、「成約数」などを記載する書類です。

 終礼が終わった後に、売り上げの悪いアポインターは上司や社長から、つめられるわけですが、こうした社内業務が全部終わったあとにやっと、帰宅できるというような感じになっています。

■PM20:00 退社

 私のいた会社は毎日、だいたい夜の8時か9時には帰れましたから、住宅リフォームの飛び込みセールスの業界では、かなり楽だったといえるかもしれません。

 前述しましたように、夜でもおかまいなく訪問するような会社は今でもありますし、夜中過ぎるまで家に帰れないような会社は結構あります。

■まとめ

 ざっとですが、書いてみました。
 過去を振り返って書いてみましたが、やっぱり「飛び込みセールスのアポインター」というのは、楽な仕事だなあ、というのが実感としてあります。

 もちろん、雨の日、風の日、台風の日、極寒の2月でもおかまいなく飛び込みをしますが、外でやる仕事なのでそういう大変さはあっても、やはり個々の営業マンは「管理者の目が届かないところで仕事が出来る」という点では、大きなメリットを持っていると思います。

 事務職でも何でも、オフィスで働いていると、常に周囲の目を意識しなければならないし、例えばの話、「トイレに行く回数が多い」ということで注意してくる上司なんかもいるわけです。
 もちろん、訪問販売でも、会社にいたり、同僚と一緒にいる時間というのはありますが、それでも全体的に見て、やはり一人でいる時間の方が長いです。

 「孤独癖のある方」、「オフィスで協調性の無い方」などは、一度、飛び込みセールスの業界をのぞいてみるのもいいかもしれません。

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